弘前スローフード倶楽部
弘前スローフード倶楽部は、「イタリア スローフード協会」「ニッポン東京スローフード協会」の会員であり、主な活動については下記の通り、イタリアスローフード協会の指針に従います。
■消えゆく恐れのある伝統的な食材や料理質のよい食品、ワイン(酒)を守る。
■質のよい食材を提供する生産者を守る。
■子供達を含めた消費者全体に、味覚教育を進めていく。
■質のよい食材を提供する生産者を守る。
■子供達を含めた消費者全体に、味覚教育を進めていく。
弘前におけるスローフード
1986年9月、弘前市内のホテル洋食料理長になった。当然自分の料理がホテルの看板になる訳で、今までとは違った、この地方からでも発信できるような料理の創造を試みた。土地の食材、主に特産物のマップをつくり、できれば無農薬栽培で、人の体に優しい物を探した。そんな中で、自然農法栽培で無農薬、無肥料のりんごを作った、木村秋則さんを知る。岩木山の麓、木村さんの血と汗と涙がしみこんだりんご畑の土のうえに坐り、この栽培の苦労話や人生観をうかがい、鳥肌が立つくらい感動した。木村さんの指導で同じく自然農法栽培で野菜や米を栽培している田村眞裕美さん、りんごを生産している斎藤良雄さん、他に自家配合飼料での鶏卵や豚肉を生産している長谷川自然牧場の長谷川光司さん。日本海側の港町鯵ヶ沢では、白神山地からの伏流水で幻の魚といわれるイトウが養殖されている。あとは母が作る自家菜園の四季折々の野菜や果物。いろんな人達の食材生産にかける哲学的情熱にうたれた。
誰にも褒められることなく、黙黙と人の体にいいものを作ってくれる生産者の方々。こんなすばらしい生産者をもっといろんな人に知ってもらいたい思いで、日本料理や中国料理、韓国料理、蕎麦、寿司などジャンルの違う料理人仲間を誘い、良い食材の生産者と一緒に、「地方からの発信、夢のディナー」という食事会を7年間続けた。
しかし、安全な食材への理解とその消費拡大には至らなかった。しかし、僕の思いは逆にレストラン山崎開店後も益々この食材なしには自分の料理が出来ないほど、とりこになってしまった。
2002年、遅まきながらスローフード協会なるものを知った。「質のよい食材を提供する生産者を守る」は、僕たちが繰り広げてきた運動に似ている。日本で3つ目のニッポン東京スローフード協会の会員になった。これを弘前の仲間に紹介し、「弘前スローフード倶楽部」を名乗り、その輪を広げている。集まったみんなで生産者を訪ね、その生産の実態を知り、野菜畑や水田の草取りをしたり、生産されたもの味わい、お互いに楽しみながらスローライフを満喫している。